福島県飯舘村の現状

福島原発の避難地区の一つに飯舘村があります。ここは被ばく線量が高くて昼間の立ち入りはできるが寝泊りはできない地区です。除染が進んで来年からは寝泊りができることになるとニュースで報道されていました。さっそく、日曜日に、除染状況を見に行ってきました。
私の家の庭の放射線レベルは0.05µSv/hでほとんど事故の前のレベルに戻りました。以下数値のµSv/hは省略します。
福島県の霊山のコンビニの駐車場では0.3〜0.5と自宅の1桁高いレベル。峠を越えて飯舘村に入ると道路わきの裸地で0.4〜0.6でした。道路わきに大きな黒い土嚢が並べられていてその表面線量は1.0〜1.4でした。道路の脇から数m奥にロープが張られていて、道路とロープまでの間の草が刈られていたので、土嚢の中身は刈られた草木なのでしょう。
山道を下っていきます。1kmに1件ぐらいの割合で人家が点在しますが、人影は全くありません。しかし荒れ果てた様子はありませんでした。
長い塀で囲まれた場、どうやら野ざらしの汚染物の集積場のようでした。

入り口のフェンスからは中がよく見えます。

画面中央の黒いビニール製の袋、ここでは土嚢と言っておきますが、1.2m角ぐらいの袋で放射性廃棄物を入れるための統一された袋のようです。
その道路わきに空間線量モニターが設置されていて、線量は0.58でした。丁度いいので、私の10数年前に買った簡易型線量計とこの空間線量系とを比較することにしました。私の線量計の表示は0・55でした。これくらいの差は良しとしましょう、まだまだ使えそうです。
道路の右下に細長い段々畑が続きます。後から聞いた話ですが、段々畑は表土を5cm削り取り土嚢に回収し、その上に汚染していない山砂を敷き詰めたとのことです。段々畑の中央で線量は0.2〜0.4でした。線量計には除染していない周囲の環境からも放射線が入射しているので、畑だけの正確な除染効率は判りません。しかし、避難地区が解除された時には、住民はこのような空間線量の環境で生活することになります。
たまたま数人の立ち話のグループを見かけて車を止めました。彼らは{ふくしま再生の会(NPO法人)}の方々で、農産物の試験栽培をし、その放射能を評価して、将来の飯舘村の復活に寄与しようと精力的に活動をしているグループでした。彼らに飯舘村を車で案内していただきましたが、とにかく広い山村です。しかし、今はほとんど無人の村です。避難地区を解除されても、以前の人口6000人のうち、現在の帰宅希望者は300人余りとのこと、これでどうやって村を維持していけるのか、私には全く道筋が描けません。
イノシシの足跡が子供のも含めて至る所にありました、ハクビシンの足跡も。
スズメは全く見かけませんでした、ハシボソガラスハシブトガラスキジバトが少々、時期もありますが鳥類が少ないようでした。