冬芽の話

ボケの葉芽と花芽を間違えましたが、勘違いのもとは冬芽の大きさです。ほとんどの樹木(?)は冬芽が秋に形成されて、冬の間に徐々に成長しますが、これは、春先にいち早く葉を展開させて生存競争に勝つため、と早合点していました。しかし考えてみますと、ウコギ科の植物では、冬芽はほとんど成長せずに、春になって急に展開始めるのです。それでもスタートダッシュはできるのです。
そこで庭の樹木を調べてみました。何と、冬芽が冬季に成長する樹とそうでない樹はほぼ半分づだったのです。
冬芽が冬季に成長
針葉樹の多く、ブナの仲間、シデ、ケヤキツツジの多く、サクラ、クロモジ、サンシュユ等早春に咲く樹木などなど32種。
一方でサクラと同じバラ科でもボケ、カリン、ユスラウメは冬芽は成長せずに、従って、冬季には花芽と葉芽の区別はつきません。サルナシ、マタタビ、キウイは隠芽です。イヌツゲ、ウメモドキ、マユミ、クチナシムクゲキンモクセイ、モッコクなどの芽も春先まで小さいままです。これらが30種でした。
その他にどちらに分類していいかわからないもの(キンロバイ、ロウヤガキなど)もありましたが、大体半数が冬に成長する冬芽を形成するようですね。
冬芽を成長させておけば、春先いち早く成長出来て競争に勝てると思えますが、ウコギ科の植物などでは、最初に述べたように、冬芽がなくても春先いち早く成長を始めることができます。
一方で、冬芽を成長させると、その芽を動物に食べられたり(ムササビ、リス、サルやウソなどの小鳥)、芽の凍害を防ぐエネルギー(トチの芽のネバネバなど)が必要になったりと、リスクが大きいと思われます。(私の庭のサツキは秋にできた花芽に名前の解らない虫が入りこんで花芽を枯らしてしまいますが、春先に花芽を急成長させれば昆虫の害は激減するのでは?)


植物の世界も、まだ私の解らないことばかりです。


ボケの花芽の疑問から、庭先で調べてみました。
それにしても、庭に植えた樹木、自然に生えてきた樹木、鉢植など、ざっと数えて80種類弱、結構あるものですね。