厚労省のインフルエンザ対策

今年の春インフルエンザ防疫対策として、厚労省が国民に訴えたことは、①政府の正しい情報を信じて、②冷静な対応を取るようにであった。その時私は、正しい情報なんてあり得ない、正しいかどうかは時が経って、結果として分かるものだ。どんなタイプのインフルエンザかも解っていないのに、厚労省は知ったかぶりのホラを吹くべきではないと言いたかった。②の冷静な対応を取るようにについては、賢い国民はそれに従って冷静な行動を取り続けている。
しかし政府は冷静であっただろうか。不確かな情報に基づいて大騒ぎをした水際作戦は、当然のことながらものの見事に見事に失敗して、インフルエンザは日本に潜入した。
その後政府の対応は、③手洗いの励行、④うがいの励行、⑤マスクの着用、⑥ワクチンの不足分を外国から購入(計画)、⑦患者救急対策(計画)などであろうか。しかし私は、③と④はやらないよりはやった方がいいかもしれない程度のことであろう。⑥は、金に任せて買い集めて世界から非難されることを懸念する。⑦は政府のやることだから、あまり期待が持てないが、やってもらわないと困る。
ある専門家の意見として、インフルエンザには予防策はなくて、ある割合まで罹患すれば自然に収束に向かうと言っている。私はこれが正しいのではないかと思っている。私自身は、普段の生活をしていて、新型インフルエンザにかかったら、成り行きに任せるしか仕方がないと(今は)考えている。
政府のシナリオでは10月頃に患者のピークを迎えるようであるが、このピークが鋭いと病院の収容能力を超えるし、社会機能が麻痺してパニックを引き起こす恐れがある。ピークの高さを低くして、その分蔓延期間が長引くのはやむを得ないと発想転換して、そのための方策を立ててはどうか。
自然の驚異に胸を張って戦うほど人間は賢くできていない、一歩譲って、謙虚に対応するのも必要ではないか。