いいかげんな放射線基準

内閣官房参与の小佐古東大教授が辞任しました。氏は国際放射線防護委員会の委員も務めたことのある専門家で、私も何度か話をしたことがあるのですが、今回の辞任は氏の威信に関わる当然の成り行きと思います。
政府は学校の屋外活動の線量を年間20mSvを論拠に、1時間あたり3.8μSvとしました。この20mSvは緊急時の放射線作業者の線量として定めたもので、通常の放射線作業では5mSv/年が限度と定められています。被災者を救出したり、被害が拡大するのを防止する緊急時の作業では、1年間の線量限度の4倍までは許容されるという値です。
①この値は18才以上の大人を想定したもので、放射線感受性の高い子供に当てはめるのは全く間違っています。
②緊急時の作業の場合、その作業環境だけに高い線量があり、作業現場を離れた生活環境ではほとんど被曝しないことが前提になっているはずです。しかし今回は、環境中の放射線レベルも高く、学校の屋外活動の線量だけを規制しても意味はないのです。屋内に避難しているつもりでも、屋外の1/2ぐらいの被曝があると想定すべきです。したがって、場所によって20mSvを超える被曝線量の子供が出てくる可能性があるのです。
③年間20mSvを単純に365日/年、24時間/日で割ると2.3μSv/時、となります。いろいろな仮定で計算しても、政府の定めた3.8μSv/時にはなりません。どのような計算をしたのでしょうか。はっきりした論拠を公表すべきと思います。

こんないい加減なことしかできない→放射能って本当に怖いですね。
となりますよね。