タケノコ掘りボランティア

2日前の日曜日の朝、寝床で朝刊を読んでいると次の記事があった。
宮城県の南部のある地域で、ほんの一部のタケノコから100Bq/kgを超えた放射能が検出された。当該地区を管轄する農協のタケノコは全て出荷が出来なくなった。
Aさんのタケノコは15Bq/kgだったが、当然出荷は出来なくなった。しかし、畑のタケノコをそのまま放置すると、竹が茂りすぎて来年は収穫量が激減するので、タケノコは掘り起こさなくてはいけない。ついては、タケノコを掘って処理するボランティアを募集する、なる内容であった。
早速、車で2時間かけてボランティア会場に向かった。
Aさんから出荷停止までの経緯の説明があり、次いでタケノコ掘りの説明があり、作業が始まった。
私たちは森林作業用の『と鍬』を持参していたので、手慣れた道具で、いとも簡単に孟宗竹のタケノコを掘り起こすことが出来た。
さてその処分であるが、Aさん曰く
「私の所のタケノコは行政側の規制値を大きく下回っているので放射能に関しては問題はないが、地区の約束で、出荷は出来なくなっている。収穫したタケノコもこのまま腐らせてしまうことになる。
私は一足先に集合場所に戻るが、収穫したタケノコがどうなるか、私は全く関知しないことだ」
私はこの言葉に、せっかく丹誠込めて作ったタケノコを出荷できないAさんの無念な気持ちを察知した。
私は、30cmぐらいで太って形の良いタケノコだけをビニール袋2袋に入れて持ち帰ったが、帰って数えると11本あった。畑に残された大部分のタケノコは??、そのまま腐ることになろう。
持ち帰ったタケノコは、多くは茹でてから塩付けに、残りは毎食煮付けに出てくる。採りたてで、新鮮、柔らかく、こんな旨いタケノコは初めてである。
私はこの程度の放射能は全く気にしない。


放射能汚染に関して、福島県で問題にされているのは当然であろうが、放射能に県境はない。宮城県でも深刻な問題を呈しているのだ。
放射能汚染で苦悩する農家の気持ちに(ほんのわずかかもしれないが)触れることが出来た貴重な1日だった。


一部のタケノコは乾燥して保存、のはずだったが・・。しまった、全部塩漬けになってしまった!!!。