聴覚障害児にマジックを

手話通訳のボランティア団体から2時間ぐらい手品を教えてくれと頼まれました。健常な子供に対しても、手品は1時間ぐらいが限度と考えていますので、「1時間で良ければやりましょう」と引き受けました。
私は手話通訳は出来ませんし、聴覚障害者に対しては初めての経験になりました。出席者は聴覚障害児、その兄弟と親たちでした。
手品の実演と簡単な手品の講習とを交互に取り混ぜてやる予定を組みましたが、手話通訳を挿んでの講習なので、どのくらいの時間になるのかは全く予想が付きませんでした。
さて本番です。
最初は、私がゆっくり話して、それを進行係の人が手話通訳をして、という打ち合わせで始めたのです。
しかし、手品の手の動きなど細かい動作は手話ではなかなか表現できないし、私の身振り手振りだけでも子供達はけっこう理解してくれていることを感じとりました。知らぬ間に、通訳者の存在を忘れて、マイペースで続けてしまいました。通訳の人にはごめんなさいですが、子供達にとってはこの方が良かったとも感じました。
視覚にうったえる演技は聴覚障害児にはほとんど障壁がなく理解してもらえるようですね、安心しました。
また来ることを約束して帰ってきましたが、今度は最初と最後の挨拶だけを通訳してもらって、その間は私だけて進行しようと思いました。
考えてみれば、日本人マジシャンが外国でもわけ隔てなく手品をやっているし、その逆も然りですね、
{手品は万国共通の言語だ!!}
なんてね。