年を取ったと思った時

台所と玄関の境にガラスの入った引き戸がある。重たい戸で、開閉にはいつもガラガラと音を立てるが、スムーズに動いていた。その戸が、最近、時々途中で、ガタリと引っかかるようになった。レールの溝に砂粒でもかかっているのかと掃除機で吸引してみたが、引っかかる現象は時々発生したのだった。
レールの溝をよく見ると、擦れたような跡があり、戸のローラーがすり減ってきているのだろうと推測した。
「確かこの戸にはローラーの高さを調節する機構が付いているはずだ」
と思いだして、戸を外すことにした。
「むむ!!、こんなに重たい戸だったかな。腰を痛めないように外さなくては」
「よいしょっと、スゲー重たいな。これを横にするのも大変だな。よっこらしょっと」
依然と言っても数年以上前でしょうか、この戸を外すのにそれほど苦労はしなかったのに、年を取ったものだと思った瞬間でした。
「確かローラーの脇にネジがあって、右か左のどちらかに回すと、ローラーの高さを調整できるはずだ」
「暗くてよく見えないや、電灯をつけよう」
「むむ!!、これでもよく見えないや、お母さん、虫眼鏡持ってきて!!」
「なるほど、矢印の先が左に向いていて、upと書いてあるな。左に回すといいんだな」
左右のローラーのネジを180度左に回して、戸を元の敷居に戻し
「ふー!!、重たかったな。この次は武志さん(娘婿)にやってもらおうか」
と思った次第です。
ところが、開閉してみると、動きはスムーズなのですが、上の方に隙間ができていることが判りました。まだメンツもあります。もう一度戸を外して調整し直すことになりました。
それにしても、こんな戸のはめ外しに苦労するとは、力がなくなったものだとガッカリでした。


もう一つ、最近、”老化したなー”と実感したことがあったのですが、それをどうしても思い出せないのです。
「そうか!!、これも老化現象か!!」