行き当たりばったりの生活

昨日のことです。

「おかあさん、先月、かかりつけの薬局で店長さんに紹介されたラーメン屋にまだ行ってないよね、今度薬局に行ったら、どうだったか?って聞かれるよね」
と言うことで、昼食は仙台市の中心のラーメン屋までバスで食べに行くことにした。
バスの中で
「おかあさん、市民広場でテントを張って何かやっているみたいだ、見学して行こうか」
と言うことで、目的地の2つ前のバス停で下車した。イベントはペットの感謝デーとかで大したことがなく、会場を素通りになったが、目的のラーメン屋まで15分以上歩くことになった。時計は丁度12時、条件反射的に腹が減ってきた。
歩きながら脇を見ると、ある回転寿司屋の看板が目に入った。大手ではない地元の寿司屋だが、新鮮で旨いとして評判の店だ。この街中の店には入ったことがないが、郊外のこの看板の回転寿司屋には何回も入っているので安心だ(と思った)。
「おかあさん、ラーメン屋はこの次にして、この回転寿司屋に入ろうか」
寿司の大好きな女房に異論はなく、予定を変更して、のれんの中へ。
「へー、皿が回ってこない回転寿司屋なんだ、どうやって注文するんだろうね」
私も女房も、椅子に座って暫くは新しい趣向の回転寿司屋だと思っていたのだ。次第に理解できたのは、この店は老舗の本格的寿司屋で、私たちがタマに食べに行っていたのは郊外に展開したチェーン店の回転寿司屋だったのだ。
値段を気にしながら注文して食べることになったが、どうも食った気がしなかった。さて肝心の会計だが、それほど高くなく、私の財布にはまだまだお金が残っていた。これだったらもう少し食べればよかったと、まだ腹六分目ぐらいの腹がつぶやいていた。
「せっかくだからラーメン屋の場所だけは確認しておこう」
とラーメン屋に向かう。そこは横町の小さな路地の奥、カウンター席が数個ぐらいの小さな店で、ドアは半開きで中に明かりがあるが人影はなし。
{今日は昼食はやっていません}
なる無表情な走り書きの看板のみ。
普通だったらムッとするところだが、
「おかあさん、すし屋で食べてきてよかったね」


バスで帰途に就いたが、今日も行き当たりばったりの一日だった
「マー、どうせやることがないから、これで良しとしようか」