たまにはまじめに、町内会の話

今年度は、女房が町内会1班の班長をやらされています。現在、孤軍奮闘で町内会長と喧嘩をしていますが、ことは福祉団体に収める寄付金です。寄付金は、赤い羽根、赤十字、福祉協議会の3団体で、それぞれの目標額は300円で、班長が各戸から合計900円づつ集金しなくてはなりません。これは大きな問題です。
(1)募金活動は、職場でも、街頭でも行われていますし、ボランティヤという行動で行っている人もいます。災害時にはその地の市役所等に直接寄付をする人もいます。寄付は本人の意思と無関係に、強要されてはいけません。
(2)私の団地には比較的金の少ない人が多く、年金生活者も多くいます。「できれば私が恵んでほしいくらいだ」と言いながらしぶしぶ募金に応じてくれる方も多いのです。会費を分割払いにしてほしいという人も少なからずいるのです。
(3)募金を払いたくない考えの人でも、班長になると、強制的集金作業に当たらなくてはいけません。これは大変つらいことです。自分の主義を曲げて集金しなくてはなりません。
(4)いわゆる福祉団体は、寄付の目標額はあくまで目安である、と言い訳はしていますが、班長を通じての集金では、顔見知りの班長に文句をいう訳にもいかず、黙って言われたとおりの金額を出す、結果として強制的集金になってしまいます。
(5)福祉活動に寄付をすることは良いことで、この行為に反対を唱える人はいないでしょう。しかしそのやり方と募金の使途はちゃんとしていなければなりません。今の福祉活動協議会の活動には、私は大きな疑問を感じています。福祉活動とは認められないと思っています。赤い羽根の共同募金はどのような目的で設立されて、今でもその必要理由は変わらないのでしょうか。赤十字と合併して合理化することはできないのでしょうか?。

 女房は町内会の定例役員会で、班長を通じての強制的集金は止めるべきだと主張したのです。これに対しほかの役員はだんまりのままで、会長の「そんなことをしたらお金が集まらなくなる、福祉活動に協力しない町内会でいいのか」という主張が通ってしまうのです。
 女房はこれに満足せずに、一班の町内会員には、上記の様な主張と「今年は班長が戸別訪問しての集金は行わないので、募金に賛同される方は班長まで届けてください」旨の文書を回しました。その結果、1班の募金の金額は他の班に比べて大幅に少なくなりました。
 そこで町内会長の出した次なる手段は、町内会費を値上げして、その中から各戸900円分を寄付に当てる。そのことを町内会則にも明記する、なるものです。
 実は10年ぐらい前に私は町内会長をやっていて、集金の現実を見て、班長の集金は止めて、”町内会”として、いわゆる福祉団体に寄付することを提案しました。その出所は町内会の予備費からです。町内会として災害時等のために予備費は蓄えておかなくてはならないのですが、ある程度備蓄したら増やす必要はないのです。その増加分を次年度に寄付に廻してはどうかというのが私の提案でした。予備費の増減額は大したことはないので、それまで班長を通じて集めた募金額に比べれば約1/2以下になる計算でした。ただこの金額は前年度の余剰金によって変動するのです。この案に対して役員からは誰も意見はなく、次年度以降に先送りにしました。福祉という印籠の前では、それにマイナスとなる発言をする人はほとんどいないのが現状です。
 今回の会長の提案では、会費の2割3分を福祉団体に定常的に寄付するもので、いくらなんでも高すぎます。前年度班長を通じて集めた金額の1.5に跳ね上がるのです。町内会と言えば規模は小さいけれど、県、市と同等の地方自治体です。県や市もいわゆる福祉団体にお金を出していますが、2割3分も出している地方自治体はありません。桁違いに小さい金額でしょう。個人で考えてみましょう。私の年金の2割3分と言えば、*十*万円です。そんなに寄付する人がいますか?、年金生活者で。

 民間のいわゆる福祉団体に、その下部機関として、町内会を位置付けられてはいけません。
でもこれには、伏線が敷かれているのです。年度が改まると新町内会長のもとにいわゆる福祉団体から「**役員を委嘱する」なる{名誉ある(?)委嘱状}がそれぞれ送られてきます。私も、訳も解からずに、ありがたい(?)委員になったのです。この様な人たちが地域で集まって支部委員会を作り、運営にあたるわけです。運営すると言っても、専従の役員が整えた書類を承認するだけですが、浄財として集められたの寄付金の一部は、会議のたびに、少なからぬ会議手当として減っていきます。このように、町内会はいわゆる福祉団体の下部組織として位置づけられているのです。
 現町内会長は支部委員会の支部長になっていて、自身の町内会からは多額の寄付金を出さなくてはいけない事情もあるのです。

いわゆる福祉団体はこの辺で寄付の在り方を再検討してもいいのではないでしょうか。
「えーい、この福祉の印籠が目に入らないか」
問答無用で、やりたい放題はいけません。

女房は、いわゆる福祉団体へ900円寄付する案が町内会で決まったら、町内会を脱会すると息巻いています。

断っておきますが、私は福祉活動そのものを否定するものではありません。大変良いことですが、やり方は節度をもってやっていただきたいのです。
これからは、使途先が、私の目で直接確認できる方法、例えば災害先の市町村に直接寄付する、ようなことに金を使っていこうと思います。福祉施設でのマジックもやっていきます。