東海村の素粒子実験施設での放射能漏れ(2)

2)加速器の性能と安全対策
加速器の性能は、文科省の承認証には①加速粒子、②最大加速エネルギー、③加速粒子の最大電流値、が明記され、その範囲以内でしか運転が出来ません。この範囲内であれば、正常な使用状態では、法令の各種規制値を上回ることが無い旨の証明が、申請書でなされているのです。
それ以上の性能が出てしまったらどうなるか?。例えば環境中に漏洩する放射線量が規制値より高くなるので、放射線量のレベルをキャッチして加速器のビームを止めるなどの安全装置が何重にも施されているはずです(インターロックシステム)。インターロックシステムは、その施設で作業者が安全に仕事をするためだけでなく、施設外の一般住民に対しても安全を保証するための不可欠の装置なのです。申請書でも説明が必要な重要項目の一つです。
従って、インターロックの解除キーは極めて重要で、普通は放射線取扱主任者が鍵のかかった保管箱に厳重に保管していて、主任者の許可無くしては解除できないはずです。
しかし今回の事故では、誰かがインターロックを解除して実験を続けたようですね。今回の事故では、主任者にはインターロックキーの管理のずさんさが責められます。さらに、解除操作をした研究者(放射線業務従事者)には、放射線作業を行う資格の剥奪が、求められます。一時的かもしれませんが、研究生命を絶たれます。それぐらい重大な約束違反です。この研究者だけでなく、日常茶飯事、誰かがインターロックの解除をして運転が行われていたとすると・・・・、背筋が寒くなります。でも私は、有りうることだと思っています。
→{NEXT}